INTERN憧れのおとなに会いに行った学生に密着!
農業高校を卒業し、OIUの海外留学を経ていろんな人生の道を模索しはじめたジャフィールこと徳田くん。そんなとき、海外を飛び回り植物を集める“プラントハンター”西畠さんの存在を知りました。熱い想いを伝え、西畠さんに話をする時間をもらった徳田くん。 大きな植物たちに見守られながら、取材は始まったのでした。
INTERN憧れのおとなに会いに行った学生に密着!
農業高校を卒業し、OIUの海外留学を経ていろんな人生の道を模索しはじめたジャフィールこと徳田くん。そんなとき、海外を飛び回り植物を集める“プラントハンター”西畠さんの存在を知りました。熱い想いを伝え、西畠さんに話をする時間をもらった徳田くん。 大きな植物たちに見守られながら、取材は始まったのでした。
大阪国際大学の徳田と申します。
今日はよろしくお願いします。
よろしく!これは履歴書?・・・性格は社交的。良かった(笑)。了解です。
じゃあちょっと植物園を案内するんで話しながらいきましょか。
はい。お願いします!
ここは集めた植物を置いてる場所ですか?
そうそう。ここには世界中日本中から集めた植物があって。これは海外から届いたばっかり。
ボトルツリーっていって、オーストラリアの木で。
あっ清順さんがこの木に寝そべってる写真を見たことがあります!これは大きいほうですか?
そうそう、まさにそれ(笑)。日本にあるやつであれば大きい方やね。で、こっちはオリーブの木。樹齢700〜800年ぐらいかな。
すごい樹齢…。まだ実はつくものなんですか?
もちろん。土とか枝は、一旦落としてあげてここに持ってくる。で、ここでまた再生する。そしたら実がなる。向こうよりもここの方が実がなるねん。
こっちのほうが良い環境ということですか?
そういう環境を作ってあげてるってかんじ。オリーブは平和と繁栄の象徴やからね。国連のシンボルになってたり、タイムリーな話でいくと、スポーツの国際大会あるやん?それのシンボルになってたり。すごい縁起のいい木やから好きやねん。
そうなんですね!知らなかったです。
これなんかは、太古の植物で。植物って、約4億5000万年前に、川から陸上にあがってきたらしいねんけど、一番はじめに巨大化したのが、これの仲間やねん。いま、太古の植物にハマってて、いろいろ輸入してて。テーマパークとかいろんなところでつかってもらってるね。
変わったかんじというか、雰囲気ですね。
原始的な植物やね。いまこれをランドスケープとかに活かしたりしてる。もっと自慢したいやつはいっぱいあるねんけど、やっぱりこれかな。「パラボラッチョ」っていう木。アルゼンチンから、大変な思いして運んできた。
そんな大変だったんですか?
日本やったら職人さんがいっぱいいて、大きな木を掘ったり運んだりっていうのを手伝ってくれるねんけど、海外やと誰もいないから。言葉が通じないなかで、10人雇って、あーだこーだ言って大きなマシン使いながらやるわけよ。
すごく大変そうですね…。
失敗するとパーやからね。けど、こういう大きな木を運ぶことと、ものごとを進めることって、似てて。成功させるためには、どういう準備したらいいのかとか、いかにすばやく効率よくするかやねん。
こういう木なんか、鈍臭かったらすぐ枯れてしまったりするということですね。
うん。仕事ってライブ。いろんなことが起きる。目の前で起きたトラブルをいかに対処するかっていう、そんな能力も仕事って大切やねんな。
こうやって、お会いできるとは思ってなかったです。まず日本にいらっしゃるのかなって。
そうやなー、年間100日ぐらいは海外にいるしなー。いまは日本の仕事が多くて日本にいるの。これって、大学がやってるプロジェクトなん?
そうです。「やってみる?」って声がかかって。ある程度フォローはしてくれるんですけど、基本的には自分たちで会いたい人を決めて、アポをとって、ていう流れで。
なるほど!自分で見つけてくれたんやね。そっかそっか。いや、ぼくはこの企画おもしろいなって思って。インタビューいくらでも依頼があって、やりたいねんけど、時間がびっくりするぐらいなくて。本業ほったらかしにすると、「またあいつは!」ってなるしね(笑)。
好きなことばっかりして、怒られる(笑)。
うん。今回の話聞いて、やっぱり好きなことを仕事にできるって、幸せなことやんか。よく声がかかるんですよ。好きなことやってる系のやつ(笑)。たぶん使いやすいんよね。客観的に認識してるけど。それでいうと事実やし、オレでよければっていうかんじで(依頼をうけました)。
_____「清順さん、あと20分で移動します。」
分刻みのスケジュールなんですね…。
そうやねん。意外とね。自由そうやろ?
だいぶ(笑)。
自由ないのよ、なかなかね。自由をオレが語るとうざいよ?自由を語ると2時間は話せるけどね(笑)。けど、そういうノリやんね?この企画って。
はい。「楽しく働くために必要なこと」を考えて、五箇条にまとめようっていう企画なんですけど。清順さんの楽しく働くために必要だと思ってることってあったりしますか?
楽しくね。うんうん。なるほど。まず、楽しいってどういうことやと思う?
楽しい?すぐ時間がたつとか…。
あー、おもしろいね!すぐ時間がたつ。
やってて、つかれない…。
うん、なるほどなるほど
ずっと笑っていられる…?
うんうん、そんなかんじで楽しさにもいろんな楽しさがあると思うんやけど。最初言った「すぐ時間がたつ」って、ほんとに楽しい時間やと思うねん。夢中になってるわけで。けど、ものごとも仕事もそうやけど、楽しくやろう、夢中になろうって思ってなれてるわけじゃないやんか。だから、人を好きになるっていうのも一緒やけど、よし、この人好きになろうって思ってやってるかっていうと、そうじゃなくってさ。なんか一緒にいたら自然と楽しいっていうね。
あーっはい、分かる気がします。
楽しくなるっていうのは、好きになる、夢中になるっていうことやと思う。それは無理してできるものでもない。だから、自分が楽しくなれるもの、夢中になれるものを探さないといけない。おれなんかは、夢中になれるのが植物っていうのが分かった時点から楽しいことしか待ってないわけ。
たしかに、そうですよね。
うん。逆をいうと、夢中になれないことを選んでしまったら、どれだけがんばっても楽しくなるって、なかなか難しいんちゃうかなー。だからおれは楽しくするために心がけていることはなくて。最初の時点で楽しいことを選ぶことが大事なんちゃうかなーって。
選ぶときってフィーリングとか大事やと思うんですけど、やっぱこれ!っていう決め手ってあったんですか?
それもやっぱり…恋愛ばっかりに例えるけど、人を好きになるのと一緒で、この人、頭もいいし性格もいいし年収もあるしって、計算して好きになる好きと、会った瞬間にとにかく知ってみたい近づきたい、チューしたいって思える人っているやんか。同じで、選ぶときに、最終的になにかっていったら、この仕事が儲かるのかどうか、楽しくなるかどうかってあると思うけど、まずは「やってみた肌感覚」やと思う。やってみて、やっぱり好きじゃなかったってなったら、次の人を好きになればいいと思うし。仕事も一緒やと思う。
何事も、一回やってみることが大事なんですかね。
そう、それが大事やと思う。目の前に池があってさ、この池冷たいのかなー深いのかなーって片足突っ込んでる状態のそういう人が世の中多いけどさ。両足そろえて飛び込んでみたら、この池がどんな池やったか居心地よかった悪かったて、すぐにわかる。だから、飛び込んでみる。自分に合わんかったら、わかるわけやからさ。
なるほど!
うん。だからおれは楽しくないことを、無理して楽しくなるようにがんばったことがない。
今やってることが、もともと楽しいと思ってはじめたから。
うん。楽しくなるって信じたものをやってるってかんじかなー。
「つかれない」っていうのも一緒ですか?
おれ野球やってたんやけど、ふつうに走れ!って言われたらしんどい。けど、ボール追いかけてたらしんどくないのよね。だから、結局はそれって夢中になってるか、なってないかだと思うのよ。肉体的に、精神的に疲れるときっていうのは誰にでもあると思う。
なるほど、そうなんですね…!
うん、そうそう。それを楽しめるか楽しめないかっていうのは大きいかなって思うけどね。なんか、たいがい、自分次第なんやと思うねんけどね。
清順さん自身、この仕事をされるきっかけがあったかと思うんですけど、そのときってどういう気持ちでした?
音が弾けたってかんじかなー。バックパッカーやってるときに、ボルネオで食虫植物に出会って。それがすっげーでかくて、半端なくて。何か音がなったような感覚があって。そこから仕事しはじめたら、寝ても冷めても狂しいくらい仕事のこと、植物のこと考えてるっていう状態になって、そんな感覚かなー。
肉体的にしんどいときってあるとおっしゃいましたが、そのときって、どうしてますか?
しんどいって、おいしい。そう思うようにしてる。これだけ自分に誰かが何かしてほしいと思ってるからしんどいわけで。依頼に対して応える仕事やから。しんどければしんどいほど…
「おいしいぞ」と。
そうそう。こんな求められてるやつって、他におらんやろって思っちゃうの。そうすると、ピンチとかしんどいときも楽しめるし、乗り越えれるし。で、たいがいしんどいって思ってるときって、他の人もしんどい思いしてるから。
そういうものなんですか。
うん。はっきりいってそうやと思う。あんただけちゃいますでっていう。そう思えば、苦にならないけどね。
では、今まで一番しんどかったことって?
いろいろあるけど、どうやろう。肉体的には言葉では表せないぐらい、たくさんしてるよ。仕事柄。雪山で遭難したりとか、死ぬっていう思いも何回もしてる。けど、しんどいことも、過ぎてしまうと、忘れてしまうから。便利にできてるよね、人間って。
終わってしまえば、大丈夫だと。
そういう精神状態でいることが大事なんやろな。
もし、一番しんどいときがあったら、どうやって乗り越えます?
大人やから、がんばって考えて、乗り切る。誰かが助けてくれるって思わんことやね。子どものうちは、誰かに助けてもらえるって思ってる。うちの会社もいろんな子を雇ってきて、ひとつだけ思ったのは、親に甘やかされて育ってきた子と、自分で問題解決して育ってきた子の差は大きいと思う。
その差は大きいですよね。分かります。
大人になったら、誰かが解決するって思ってたらあかんのよね。それを理解することが大人やと思う。
自分で考えて、自分でやるっていう。
そうそう。もっと大人になったら、それが自分のためだけじゃなくて、世のため人のためっていうフェーズになる。けどまだ働いてない子がいきなり世の中の役に立ちたいっていうのはどこか違う気がして。己がまずいろんなことができるようになって、先頭に立つ、地に足をつけてからやと思うねん。
なるほど。
うん。たとえばさっき紹介した「パラボラッチョ」っていう木なんかは、1本4000万円やねんけど、もう2本とも買い手がついてる。珍しいからね。
4000万円…!家が建っちゃいますね。
どんな仕事でもやっぱり、学生と一番ちがうところはお金が動くってことやね。夢とか希望とか語るには、そういうこと知っとかなあかんと思ってて。持論やけどね。もちろん夢を思い描いて仕事するのはいいねんけど、職業っていうのはプロフェッショナルやから。プロとしていかに動いてお金を生み出すかやねんな。
清順さんにとって、「おもしろい大人」ってどういう人ですか?
何がつまんないかって分かってる人かなー。
なるほど!では、清順さんにとって、つまんないことって?
するどい質問するね(笑)。おれは、ものごとを決めつける人って、つまんないと思う。だから、これってつまらないっていうものがあったとしたら、こうやるとおもしろくなるよっていう考え方ができると思うねん。たとえばお笑い芸人でも、おもしろいことが言えるのは、こういうこと言ったらつまんないって分かってるから、おもしろいことが言えるわけやんか。
なるほど!
うん。だから会社に入ったとして、この企画はつまらないって分かれば、じゃあどうしたらおもしろくなるかっていう意見が出てくる。
つまんないことが分かるから、おもしろいことが分かる。
そう、絶対そうやと思う。
片方だけ考えててもダメってことですね。両方知っておかないと。仕事で、やりたくないことってありますか?
あんまりないかなー。掃除、洗濯、料理はやりたくないけどね(笑)。
仕事自体が、やりたいことですもんね。
うん。できればぜんぶ自分でやりたいもん。おれがこの会社入ったときは5人やって、そうすると、注文聞いて、用意して、届けて、請求して、確認して、ぜんぶ自分でやらなあかんかった。おれが動かないと、お客さんに植物は届かない、っていう状態。今は10倍ぐらいの規模になったけど、役割分担してる。誰かがデリバリーしてくれたり、経理してくれたり、次のイベントの準備を進めてくれてたり。けど、ほんとは自分でやりたい。やりたくないから押しつけてるとかじゃない。
できないからやってもらってるというだけで。
そうそう。だから、やりたくないことなんかないね。そんなん言うてるやつは、どんな仕事でもダメやと思う。入った瞬間からこれやりたくないってやつは終わると思うよ。
清順さんが、これからやりたいことってありますか?
おれの場合は、いま、大好きな植物を扱ってて、いろんなひとがそれを待ってて、日々こうやって忙しくやってる。これ以上のことはなくて。もっとでかいプロジェクト、たとえば、国家プロジェクトに関わるとかはあるかな。けどやりたいことやれてるしな。
強い思いでこんなことしたい、あんなことしたいっていうのはないということですか?
あっ、けどひとつ目標があるとすれば、ひとりでも多くの人に植物の魅力を伝えたい。今日だって、この取材を受けたのは、好きな仕事に出会って好きなことして若い人が仕事に意欲を燃やしてくれたらいいなっていう企画に賛同してもちろんやってる。けど、どっかで植物の魅力を、インタビューを見る人に対して伝えたいっていうのはあるけどね。
植物の魅力をより多くの人に伝えたいっていう。
最終、植物の魅力を伝えて、地位をあげる、人々の価値観を変える。100年後、200年後とかに、あいつがあの時代にがんばったから、植物が見直されたよなって、言われていたい。そういうことかもしれない。
なるほど!今日は時間がない中、ありがとうございました!
うん。そんなかんじです。ありがとうございました。
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