臨床心理士になるスタートがOIUだった。
OIUの入学式当日、先生の研究室を訪ねて、「臨床心理士になるには、どんな勉強が必要ですか」と聞いた時から、私の道ははじまったように思います。学科では心理学を中心に学修。学生でも参加できる勉強会や学会に参加し、見識を深めていく中で、臨床心理士への想いを、より強くしました。障がいのあるお子さんとの関わりを通して、子どもと関わる領域で働きたいと思ったのも大学時代でした。
子どもの将来を見据え、しっかり向き合うことを大事に。
現在は、臨床心理士、公認心理師として児童養護施設で心理療法を担当しています。家庭の事情により、施設で生活を送っている子どもたちに、プレイセラピーや心理面接を通して、心の問題を解決していくのが私の役目。大切にしているのは、施設にいる期間だけでなく、その先の人生を見据え、しっかり向き合って話を聞くこと。これまでの経験だけでなく、本や文献からつねに新しい知識を得ることが求められます。暇があれば図書館で本を読み、先生の研究室で文献にあたっていた大学時代に、その下地がつくられたと感じています。
この仕事のやりがいは、子どもの気持ちにふれられたと感じること。
日々、試行錯誤しながら子どもたちと接する中で、「今、子どもの気持ちにふれられたかな」「お互い通じ合えたかな」と感じる時があるのですが、そんな時は子どもたちとの時間を積み重ねてきて良かったと実感します。施設を退所した子どもたちが顔を見せに来てくれた時に「おかえり」と声をかけたり、子どもたちの悩みに寄り添って一緒に考えたりすることは、生活面を担当する職員と一緒に子育てをしている感覚です。このやりがいある仕事に就くきっかけを、OIUで得ることができました。