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Program1. 「探究」の理解と「問い」を考えるための構えをつくる
まずは「探究」という学び方そのものを学びます。普段の勉強と探究は何が違うのか、「問い、考える」とはどういうことなのかを考えていきます。
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Program2. 「問い」を立てる
そして、自分ならではの「問い」を探っていきます。普段わざわざ考えないようなことでも、よく考えたら不思議で、疑問に思うことはたくさんあるはずです。自分と社会との関係性の中で考えずにはいられない何らかの問いを設定し、「なぜなのか」「どうなっているのか」など、ああでもない、こうでもないと…ワークシートを使い、調べ学習や問答を通して考えるべき自分の「問い」を探っていきます。
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Program3. 幅広い分野の専門教員から刺激を受ける
大学教員は「問い、考える」研究者です。大学教員が研究者として何を問い、どのように考えているのか…聞くことで、高校生が自分の「問い」を探るヒントを得ます。同じ物事でも見方が違えば、見え方も違います。さまざまな専門分野の先生の話は、物事を客観視する良い機会となるでしょう。
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Program4. 専門教員からのフィードバックで「問い」を磨く
大学教員が問答の壁打ち相手となり、高校生が考える「問い」へフィードバックします。「こんな見方もある」「こうも考えられる」など、問答のヒントを得ていきます。あくまでも物事を考えるのは高校生自身です。大学教員は「教える」のではなく、高校生が自分で考えるために必要な導きをしていきます。
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Program5. 「問い」を世に問う
最後は自分の問答を披露するアカデミック・サロンです。自分で「問い」を立て「ああでもない、こうでもない」と考え抜く探究は、物事に対する理解を深め、自分なりの意見を持つプロセスとなります。「こんなことを考え、このように思うのです。みなさんはどう思いますか?」とこれまでの問答を披露し、他の生徒や高校の先生、そして大学教員と議論を行います。与えられた問題ではなく、自分が立てた問題についての発表には熱がこもるものです。私の問題がみんなの問題となる瞬間であり、そこにあるのはまさに私たちが躍動し合う社会の姿です。
Student's voice 生徒の声



















Teacher’s voice 先生の声
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生徒たちの考える様子を見ていると、はじめは戸惑っていた様ですが、「簡単に答えに逃げない」ことを共通理念にしたことで、ネットを介さずに自分の頭で「あーでもない、こーでもない」と考えている姿が新鮮でした。VUCA時代(あらゆるものを取り巻く環境が複雑化し、将来の予測が困難な時代)には問題解決能力、チームワークがより求められます。こうした取り組みは高校教員の私たちにとっても、探究学習のあり方を考える良いきっかけとなりました。
京都翔英高等学校 羽深 宏 先生
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インターネットという便利なものに頼らず、ひたすら「?」と向き合って考えることや、自分の問いを他者にぶつける・他者の「?」を聞くことで、視野を広く持つことができました。固定化された価値観や概念に疑問を持つことで、社会の様々な事象に興味を持つ良い機会になったと感じます。卒業後の進路について考えるだけでなく、教科内の学習にも活かせる探究活動となりました。
京都翔英高等学校 眞下 梨絵 先生
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高校教員と大学教員が手を取り共に授業を作ることができたことは、教育のみならず社会的にも意義の深いことだと考えています。人の学びは連続しているはずですが、教える側がそれを知らないがために、進学の際に学ぶ側がギャップを感じてしまうということが起こってしまいます。各々に専門分野を持つ高校と大学の教員がその専門にかかわらず、生徒が「考える」ことを徹底して支援した探究授業は、教育が学習されるためにはどうすればよいか考える教育の側の挑戦でもあったように思います。これからも京都翔英高校の先生方に高校生のことを教えて頂きながら、大学教育に向き合っていきたいと思います。
大阪国際大学 基幹教育機構 キャリアサポートセンター 山本 幸一 准教授